火星人って信じてますか?
目次
火星人のイメージ
昔から兄弟星と呼ばれた火星にはタコのような姿の火星人がいると信じられてきました。
H・G・ウェルズが1897年に発表した小説『宇宙戦争』に出てくる火星人が有名ですね。
しかし近年、
科学が進んで探査機を送って調査できるようになったことでわかってきた火星の姿は、
実際のところどうだったのでしょうか。
実際の火星の姿
近年の研究や観測で、
太陽から降り注ぐ有害物質のせいで赤茶けてしまった荒野が広がり、
強烈な砂嵐が吹きすさぶだけの惑星であることがわかってきました。
また、大気もほとんどが二酸化炭素で、重力も地球の1/3。
場所による差はありますが平均気温は-43℃で、
これは地球でいうと北極のド真ん中の気温に相当します。
その寒さゆえ、
雪ではなくドライアイスが降っているという観測データもあるほど…
こんな劣悪な環境の火星を、
実際に走行しながら調査している探査機も、
人工物はおろか火星人の姿や植物、流れる水さえ発見することはできていないのです。
火星には水はある?
太古の火星には、
地球のように水が大量に存在していて、
川となって流れていたことがわかってきました。
水が流れた跡、
滝や湖の跡、
水が流れたことで作られる形の石などが見つかっているからです。
しかし、長い年月の間に火星の磁場が弱まり、
気温が下がり、どんどん水がなくなっていったと考えられています。
そんな理由から流れる水は見つかっていませんが、
今でも火星の南極と北極には水が凍った状態で存在しているのです。
これが生命探査にとても重要な意味を持っています。
火星人について
大量の水をたたえる惑星でしたが、現在は当時から考えられないほどに過酷な環境になりました。
これほど大規模な環境変化があったということは、
動物のような複雑な生き物は進化できなかったか、
できていたとしても絶滅していると思われます。
つまり、
残念ながらタコのような火星人は存在していないだろう、
というのが現在の共通認識になっているのです。
ただ、現在も火星には微生物なら存在している可能性もあります。
凍った水の中や、地面の奥深くに潜んで居るのではないかというのです。
そのため各国の研究者は、火星から土などを持ち帰って詳しく調査しようとしています。
今後、地球外の生命やその痕跡が発見される日が来るでしょう。
そんな日を待ちながら、最新情報に目を向けていきたいと思います。
written by 倉田 航仁郎