幽霊なんていない?目の錯覚が起こす不思議な現象とは?
人間の目はちょっとした色の配置や物体の形にコロッと騙されてしまいます。
いわゆる“錯視”という現象ですね。
もしかすると、昔から怪奇現象だと思われてきた幽霊も、目の錯覚が原因なのかもしれません。
そこで今回は、科学の視点から幽霊の正体に迫る不思議な錯視の実験をご紹介しましょう!
ダマされているのは目ではなく脳!?錯視の起こる原因は?
一般的に「目の錯覚」と呼ばれる現象は、正しくは「錯視(さくし)」と呼びます。
錯視とは、実際に見えているものが、まるで違うもののように見える現象のことを言います。
たとえば、同じ長さであるはずの2本の直線が片方だけ短く見えたり、止まっているはずの画像がなぜか回転しているように見えたり…
そういった不思議な画像、一度は見たことありますよね?
人間の目はとても高性能で、最新のカメラでも決して真似できないレベルで細かい色や動きを感じることができます。
しかし、意外にも人間の脳は目が感じ取った情報を正しく処理することができず、見た物を間違った解釈で映しとってしまうことがあるんです。
これが錯視が起こる原理です。
実は目というより、脳の錯覚といったほうが正しいのかもしれません。
幽霊の正体見たり!「交差点の幽霊」という錯視
家庭でも簡単に実験できる錯視をご紹介します。
まるで交差点に立っていた、幽霊がゆらりゆらりと消えるような動きに見えることから「交差点の幽霊」と呼ばれる錯視です。
図は、白い紙に黒い四角形を規則的に並べただけの単純なものです。
なんとなく、白と白が交わる交差点の部分に、ぼんやりとした灰色の影が見えませんか?
しかし灰色の影を直視しようとすると、フッと消えてしまいます。
消えた影は、また他の交差点をウロウロ…出現したり、消えたり、なんとも不思議な動きを繰り返します。
これは、人間の目が黒い部分よりも白い部分の方が明るいと判断するために起こる現象です。
特に白の面積が広い交差点の部分の明るさを調節するため、無意識に暗い色で補い、灰色の影に見えるというわけです。
もしかすると「夜道で街灯の下に人影が見えた!」なんて怪談の正体はこの錯視が原因なのかもしれませんね。
幽霊の正体は、いつしか科学で説明できるかもしれません。
動いていないはずの絵が動く「ピンナ錯視」
こちらの画像は、2000年代に入ってから発見されたばかりの錯視。
発見者の名前をとって「ピンナ錯視」と呼ばれています。
中心の円をじっと見つめながら、顔を画像に近づけたり遠ざけたりしてみてください。
周囲に配置された円が、グルグルと回転して見えると思います。
もちろん実際には全く動いていないただの絵なのですが、これも脳が視界の外にある物体の動きを正しく観測できず、勝手に「動いた」と判断してしまうために起こる現象です。
先ほどの「交差点の幽霊」と同じくオカルトの観点からみると、視界の端で物が動くポルターガイスト現象のいくつかは、こうした錯視が原因で起こるのかもしれませんね。
世の中には70種類以上の錯視が存在する!
現在発見されているだけでも、世界には70種類以上の錯視が存在しています。
錯視の世界はとても不思議ですが、仕組みはとても単純です。
ほんの数個の図形を並べただけで、物が歪んで見えたり、動いてみえたり、その種類は様々です。
ご家庭で簡単に、再現可能な錯視図もたくさんあるので、お子さんの自由研究などにまとめてみても面白いと思います。
錯視は科学的に実証されている現象です。
しかし時に、まるで魔法のような不思議な働きを見せてくれます。
幽霊の仕業としか思えないような不思議な現象も、錯視を知ることで、それが科学に裏打ちされた
当然の現象だと知ることができます。
世の中にあふれる不思議なことを、科学で解き明かせるのだと教えてくれる錯視は、とっても身近でタメになる知識です。
お子さんと一緒に、錯視の世界を学んでみてはいかがですか?”