こどもをダメにする「ラベリング」と「個人攻撃の罠」
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ラベリング
たとえば、あなたのお子さんがゲームをした後にいつも片付けをしなかったとします。
「あの子は、”がさつ”だから片付けができない」と嘆きます。
また、あなたのお子さんが知らない人に会うともじもじして
挨拶もそこそこに隅っこに隠れてしまいます。
「うちの子は引っ込み思案なんだよねー」と思います。
よくみる光景ではないでしょうか。
このように、対象者の行動をみて、その人の性格をきめてしまうことを
「ラベリング」
といいます。
これ、なんとなくその子やその人の雰囲気を人に伝えるには適しているのですが、
やめてほしい行動をやめさせたり、やってほしい行動をやってもらうには適さない考え方
なのです。
「性格」と「その行動」を切り離してみる
下の表をご覧ください。
参照:杉山尚子氏著書「行動分析学入門」
体の中の異変が体の外部に現れるように、心の中の問題が外部に現れる
という考え方を心理学の世界で「医学モデル」と言います。
実は、人の行動を改善させようとするときに、
「医学モデル」で考えると、解決がしにくくなります。
なぜなら、ダイエットが続かない問題を解決するには
「意志を強くする」必要があり、
「意志を強くする」というのは、なんだかとても抽象的で、
何から手をつけたらいいかわからなくなるからです。
そして、徐々にその人自身を責める「個人攻撃」になっていき、
そのループ(罠)にはまります。。。。。
うちの子は勉強しない → やる気がない/意志が弱いから → だから勉強しない → やる気がない/意志が弱いから →だから・・・・・・・・・・
じつは、「性格」表現は表に現れている行動の言い換えに過ぎないのです。
逆説的に言えば、意志が強いからダイエットが続くわけではないと考えて解決策を見出すべきなのです。
これは、行動の原因を血液型、年齢、生まれた順序などで、批評することも一緒ですね。
先天的に変えられないことを責められても、相手は苦しむだけです。
まとめ
日本人は(少なくとも僕の周りは)内面に原因を求める人が多いように感じます。
もちろんそうでない人もいらっしゃいます。
一度、我が身、そして、我が子を心の内面ではなく、
外部環境から改善することを考えてみましょう。
続いている人の行動を観察したりお話を聞くと、ヒントが隠されていたりします。