[脳の不思議]あなたは、あなたの意志で動いていない時がある

自由の女神が聞いたらびっくりするのではないだろうか? 我々人間には、自分の考え、自由に判断する意識/意志があり、脳をコントロールしている、というのが一般的常識のように思われている。 しかし、1980年代にカルフォルニア大学で行われた実験で衝撃的な結果が出た。 それは、我々は自分の意識_/意志で動いていないーというものだった。

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“準備電位”の不思議

 

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カルフォルニア大学のベンジャミンリベット博士が行った実験が有名だろう。

 

実験では参加者の脳波を測定しながら、自分の好きなタイミングで指を動かしてもらうと言う、至極簡単なことをしてもらったのだが、その結果はメガトン級の衝撃を科学者たちに与えた。

 

指を動かすと言う意志発生する“前”に、脳が運動の指令を出していた

”のだ。

 

その実験が行われるまでは(当然)、まずは指を動かすと言う意識/意志があり、その”後”に脳が運動の指令を出し、指を動かすと言う順序で体は動いているだろうと考えられていた。

 

しかし、である。

 

意識的な決定より脳の命令は0.35秒前に発生していた

と言うのだ。

 

この脳の指令は準備電位と言われいている。
この博士はのちに2003年、クラーゲンフルト大学の「仮想ノーベル心理学賞」を受賞している。

 

この実験結果は、要するに我々の認識とは逆のこと、
つまり、

「意識が行動を決めると言うのは間違っていて脳が決めた行動で動いている」

ということを意味している。

言い方を変えれば、意識が行動を支持しているのではなく、
行動を把握するためのチェックしか行っていないと言うことになる。
その後も同様の実験結果が多数報告され、意志の存在否定説が主流になっていった。

 

脳からの命令を拒否できる実験結果が

 

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しかし2007年、ドイツのジョンディランハインズ教授は

「私たちの意識は準備電位による脳の決定を拒否できる」

と発表したのだ。

 

0.2秒前までではあるのだが人間には自由意志が存在するというもの。

 

ハインズ教授は、人の準備電位が現れるまでの時間を計測した。

 

実験内容:
実験参加者には下記のような指示と訓練を行なった。

 

❶First STEP

モニター画面の前に座ってもらい、その中心に緑か赤の信号が流れる
1)緑の信号が出ている間は足元のボタンを踏むことで自由にゲームを終わらせることができる
2)緑の信号が現れた2秒後に緑の信号は赤に変わるが、赤の信号のときにはボタンを押さない

 

指ではなく足での実験にした理由は、指よりも足の方が準備電位の発生が遅くなるからだ。

 

実験結果では、ボタンを押す0.5秒前には準備電位が発生することが判明した。

 

❷Second STEP

First STEPで準備電位が発生するまでの時間がわかったため、
そのタイミングに合わせて、緑の信号を赤の信号に切り替えると言う実験をした。
既に準備電位はできているが意識は赤の信号を見ている状況を作り出すのが、その意図だ。

 

つまり、
赤の信号が出ているのでボタンを押してはいけないという拒否の意識と、
”脳”のボタン押し命令とどっちが勝つか、という勝負である。

 

その結果、脳から準備電位が出た後にもかかわらず参加者はボタンを押さなかったのだ。

 

つまり、

意識の勝利に終わった。

 

拒否できるのは0.2秒前まで

ただし、拒否できないケースがある。それを左右するのは、スピード。

 

意識を脳の命令を拒否するできるのは、動作を行う0.2秒前まで。

 

今回の実験の場合は0.5秒前に準備電位が発生したので、同社の0.2秒前までの0.3秒間だけ脳の指令を拒否できたということだ。

 

まとめ

 

脳科学の分野は未開拓のことが非常に多い。
これからも我々の常識とは違った結果がたくさん出てくるのではないか。

 

1つ安心したことは、

私たちは脳の操り人形ではなかった

ということだ。

 

(P.N.いそきち)

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